実践力を育てる教育プログラム

知識や技術を「覚える」だけでなく、「活かせる」ようにするために。
学生一人ひとりの主体性を高め、4年後の最適なキャリア選択につながる学びを提供します。

アクティブ・ラーニングの導入

実際のリハビリの現場では、支援対象者の状態や抱えている問題、おかれている環境など、その状況に応じて、他者と連携しながら課題を解決していく力がとても重要になります。
本学では、教員による一方的な講義だけでなく、学生自身が自ら考え、発言し、行動をおこす力をはぐくむアクティブ・ラーニングの手法を積極的に導入。「なぜ学ぶのか」、「何のためにリハビリを行うのか」という目的意識と思考力を養い、さまざまな立場の人々と協力しながら物事を成しとげようとする姿勢を身につけることで、自らの可能性を広げていくことができる人材を育成します。

反転授業

まだ習っていない知識について、テキストや映像などの教材を使って学生だけで予習を行い、授業でその内容を応用した意見交換や実技演習を行います。予習が欠かせないものになるので「自宅学習が重要である」という認識が高まるとともに、覚えてきた知識・技術の応用的な実践を通して内容の理解をより深めることができます。

(例)理学療法検査測定法Ⅱ

  • 01
    教員から「MMT(筋力の低下を徒手的に評価する検査法)での肩関節の評価を行う」という次回講義のゴールを示されます。
  • 02
    評価方法を説明する映像を配布し、次の授業までに、学生のみで映像を見ながら予習を行います。
  • 03
    授業で、予習で学んだ評価方法の実践を行います。
  • 04
    実践と同時に、教員の指導とディスカッションを通し、自らの技術の習得を確かめます。

PBL( Problem Based Learning )

「課題解決型学習」とも呼ばれ、授業の中で設定されたあるテーマについて問題を発見し、その解決策を考え、提案するプロセスを経験する学習形式です。答えの用意されていない問いに対して向き合い、問題を自ら発見・解決する力を身につけ、チームで課題に取り組む能力を養います。

(例)応用作業分析学

  • 01
    架空の支援対象者を設定し、そのカルテ情報を示します。
  • 02
    グループに分かれて、関連する症例に関する情報を集めます。
  • 03
    今回のケースに適切なリハビリのプログラムを検討します。
  • 04
    グループごとに発表を行い、教員のフィードバックを受けます。

「地域のつながり」を活かした独自の新科目

人は、人と関わり社会に参加することを通して、誰かに自分の存在を受け入れてもらい、必要とされる喜びを実感します。本学ではこうした「地域のつながり」に着目し、地域のさまざまな主体を巻き込んで地域全体の健康増進と生きがいづくりをめざすアプローチを学ぶ新たなカリキュラムを導入。年代や立場、病気や障がいをこえてともに生きる社会の仕組みづくりに貢献できるリハビリテーション人材を育成します。

理学療法科目 スポーツ理学療法学、地域医療・健康増進
作業療法科目 地域マネジメント論、地域インクルーシブ論
多職種連携科目 (両学科共通) コミュニケーション論、チーム医療論、医療コミュニケーション演習、 チーム医療論演習
選択科目 地域医療・健康増進/障害者スポーツ
ミュージックセラピー/レクリエーション/チャイルドサポート
CBR(コミュニティベースドリハビリテーション)
SB・CB(ソーシャル・コミュニティビジネス)
自由選択型科目の導入へ

選択科目 CBR(Community Based Rehabilitation)
まちの自立力を高める「リハビリ✖️ まちづくり実践プロジェクト」

2018年度にスタートした、多職種連携によるCBR(Community Based Rehabilitation:地域を基盤にしたリハビリテーション)を課題解決型授業として取り入れた授業プログラムです。
本授業で学生は「地域のつながりをリハビリに活かすことで、一人ひとりがより自分らしく生きることのできる社会をつくる」というCBRの考え方にもとづき、フィールドに出かけ、地域のあちこちにある資源と人とを結びつけることで地域全体の力を引き出す仕組みやきっかけをつくるプロセスを経験します。
理学・作業療法士にかぎらず、地域の現場の第一線で活躍するさまざまな専門職・団体の外部講師からサポートを受け、異なる業種・職種と連携したCBRの枠組みとアプローチを実践的に学びます。
※ 三刀屋地区まちづくり協議会と株式会社Community Careとの三者共同プロジェクト

授業のねらい

  • 問題発見・解決力
    「現地調査→問題の発見→解決策の検討→外部に向けた提案→フィードバック」という授業プロセスを通じて現場で活かせる問題発見・解決力を高める。
  • 多職種・異業種連携力
    異なる職種や業種と連携し、お互いの強みを活かしながら柔軟な発想で効果の高い課題解決をはかる力を身につける。
  • 地域をとらえる力
    ①保健、②教育、③社会、④生活、⑤エンパワメント(動機づけ)の5つの観点から地域をとらえる力をつける

カリキュラムの流れ

  • 基礎学習
    リハビリにおけるCBRの枠組みや目指す社会像、アプローチについて学びます。グループに分かれ、学内の課題を調査するワークを行い、フィールドワークに向けた準備を進めます
  • フィールドワーク
    雲南市三刀屋地区の商店や住民のサロンなどさまざまな現場を訪れます。住民の方々との対話のなかで深くヒアリングを重ね、地域の魅力や困りごとを丁寧に探っていきます。
  • 企画提案の作成
    調査から得た情報をもとに、まちが抱えている課題を自分たちの視点から明らかにし、「地域のつながりを活かした、だれもが自分らしく生きていけるまちづくり」に向けた企画提案を考えます。
  • 最終発表
    三刀屋地区にて、市職員やまちの住民に向けてフィールドワークの結果と自分たちの考えた企画提案を発表します。まちの課題やその解決に向けたアクションについて、参加者で意見を交換します。
  • 実践
    企画提案の内容を現実に実施可能な形にまで具体化して三刀屋地区まちづくり協議会や住民組織と連携したイベントや活動として実行にうつし、住民の方々の反応や効果を検証します。

理学療法学科「スポーツ理学療法学」

スポーツの舞台で、選手が最高の結果を出せるようサポートを行うスポーツトレーナー。トレーニング指導をはじめ、競技中や練習中のケガの予防と応急処置、試合に向けたコンディション調整など、理学療法の観点から選手とチームを支える縁の下の力持ち的存在です。
本学卒業生であり、島根県アスレティックトレーナー協議会の会長を務める川本晃平氏を講師として実際のスポーツ現場で求められる実践的な知識・技術を身に着けます。

授業のねらい

  • スポーツ外傷および障がいの基礎知識を習得する。
  • 実際に自身でスポーツ選手へのリハビリテーションを実施する力をつける。
  • 選手や監督へコンディショニング方法や応急処置の指導を行う力をつける。
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作業療法学科「地域インクルーシブ論」

病気や障がいというハードルを越えてさまざまな人々が交わり、互いを認め合うことで自分らしい生き方を送ることができる「地域共生社会」。
従来から「支援対象者にとって最良の社会への適応のサポート」を行ってきた作業療法士には、住民や行政、企業や民間団体を巻き込んだ社会参画の仕組みづくりにおいてその能力を発揮することが期待されています。
株式会社Community Careにて作業療法士の視点や知見を活かしまちづくりに関わっている藤井寛幸氏を講師に招き、1~2年次に習得した作業療法の知識・技術を応用しながら、その実践的手法を学びます。

授業のねらい

  • これからの医療・福祉のコンセプトとなる「地域共生社会」に関する理解を深める。
  • 実地域共生社会において、作業療法士の専門性を活用するための知識と実践的スキルを習得する。
  • 一連の講義と演習を通じて、自らの仕事における目的意識を身につける。
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