高校時代から憧れた
スポーツトレーナーの道。
多様化する社会の中で
自分らしいリハビリの形を
見つけたい

株式会社Canbas 理学療法士

小村 康平 さん

Profile
島根県松江市出身、本学2016年度卒。普段は整形外科クリニックにて小学生から高齢者を対象に外来患者さんを担当しながら、休日はスポーツトレーナーとしてスポーツ大会の会場救護活動や帯同チームの選手へ怪我予防やパフォーマンスアップのための指導などを行っている。

現在のお仕事と、スポーツトレーナー(以下、トレーナー)の活動について教えてください。

普段はクリニックの整形外科で、理学療法士として外来の患者さんの肩やひざ、腰などの痛みに対するリハビリを担当しています。
トレーナー活動は休日に行っていて、バスケットボールの大会での会場救護や、高校のソフトテニス部での指導を行っています。部活指導では、けが予防やパフォーマンスを向上させるためのトレーニングのほか、栄養面の知識を伝えています。

トレーナー活動を始めたきっかけは何ですか。

高校生の頃から(漠然と)スポーツトレーナーになりたいと思っていたのですが、どうすればなれるのか分からず悩んでいました。そんな時、部活の指導に来ていたトレーナーの方がシマリハの理学療法学科の卒業生で島根県のトレーナー活動に積極的に取り組んでおられました。その方に理学療法士として働きながらトレーナー活動をする選択肢があることを教えていただきました。このことをきっかけにシマリハへの入学を決めました。当時は今のようなトレーナーサークルはありませんでしたので、学生時代から県内の現職者の方々の中に混じってトレーナーの勉強をしていました。

トレーナー活動をするうえで心がけていることは何ですか。

高校生と関わる機会が多いので、選手それぞれが一人のアスリートとしてきちんと自己管理をすることができるように教育しています。そのために選手と自分とが友達同士のようななれ合いの関係にならないよう一線を引くことには特に気をつけています。また、一方的にならないように選手はもちろん、指導者の先生や選手の保護者の方も背景にいることを意識しています。

やりがいを感じるときはどんなときですか。

理学療法士としては、やはり担当した患者さんの状態がリハビリを重ねていくうちに前向き発言が増え、患者さんが喜んでいるところを見るとやりがいを感じます。しかし、一筋縄ではいかず、無力さを感じることも多々あります。人のために勉強しながら、たくさんの幸せな瞬間に出会える素敵な仕事だと感じています。
トレーナーとしては、選手たちにとって大事な大会で結果を残してくれた時です。高校総体で優勝した時は、感謝の意味を込めてトレーナーも胴上げをしてくれます。頑張った姿を普段から見ているので、選手たちの躍動に感動します。やっぱりスポーツにはすごい力がありますね。

シマリハで学んだ4年間で、印象に残っていることはなんですか。

リハビリについて学ぶ中で切磋琢磨する同級生や先輩方、指導してくださる先生方、地元の方々との多くのつながりができたことです。

小村さんの今後の目標について教えてください。

ここ数年、「理学療法士+トレーナー」というスタイルで活躍する人が県内でも増えてきているので、さらにプラスして自分らしい形を確立していきたいです。たとえば、私の兄は作業療法士として、働く世代に対してリハビリのアプローチを行う産業リハビリの分野に関わっているのですが、そういったところにトレーナーとして介入する人は全国的に見ても少ないです。それも一つの選択肢としてありますし、もっと自分が世の中に提供できる価値を増やしていきたいですね。

最後に、これから療法士を目指す方にメッセージをお願いします。

社会がますます多様化していく中で、これまでの「理学療法士でトレーナーをしているのはすごい」といった時代から変化していると思います。これから療法士を目指すという若い世代の皆さんにも、今のうちから10年後、20年後の未来を想像しながら柔軟に自分を変えていくことがますます求められます。そのためにも、さまざまなリハビリの形の可能性にふれながら勉強に励むことができるシマリハはとてもいい学びの環境だと思います。

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