憧れた訪問リハビリの仕事に
新卒でチャレンジ。
関わる方々の身体も心も元気にしたい。

株式会社Community Care 理学療法士

荊尾 菫 さん

Profile
島根県大田市出身、本学令和4年度卒。幼い頃から日本舞踊を習い、ボランティアとして介護施設で披露する機会があった。その際、理学療法士の仕事を見て素敵だなと感じ、目指すきっかけとなる。

どんなお仕事をされているのですか?

私が勤めている株式会社Community Care(以下、コミケア)は、訪問看護事業とコミュニティケア事業を行っています。訪問看護とは、病や障がいがあっても安心して在宅生活を送ることができるよう、ご自宅を訪問してケアやリハビリを提供することです。現在私はコミケアに入社して1年目で、毎日利用者さんのお宅にひとりでうかがってリハビリを実施しています。おひとりに対して40分間、多い日で1日6件のお宅を回ります。
コミュニティケア事業では、地域住民の方に向けて病気や介護を予防するための活動に取り組み、月に1回のサロンで地域の方々と交流したり、三刀屋郵便局の一角をお借りした「まちの保健室」で健康相談を受けたりしています。

コミケアを就職先に選んだ理由を教えてください。

学生時代に訪問リハビリの仕事を知り、いいなと思っていたんです。ただ、訪問先であらゆる状況に対応できる理学療法士になるためには、まずは病院に就職して経験を積むべきかなと考えていました。ですが、私の性格をよく理解してくださっているシマリハの先生から、自分に合う就職先として「コミケアはどう?」と提案されました。コミケアにはシマリハの卒業生も就職しているし、地域医療やまちづくりに深く関わることができるところも魅力的でした。シマリハの先生が背中を押してくださったこともあって、実際の訪問リハビリを見学する機会をいただき、ここで働きたいという気持ちが高まっていきました。その後、正式な面接を経て、憧れの訪問リハビリの仕事に就くことができました。

実際に、ひとりでお宅を訪問して大変だったことは?

入社して3ヶ月くらいは先輩と一緒に訪問し、夏頃からはひとりで回るようになって、初めは分からないことだらけでした。思ってもみない緊急事態に遭遇することもあります。行ってみたら高熱を出されていたり……。最初はどうしようかと焦ったのですが、看護スタッフに電話で指示をもらってすぐに対処できました。
ひとりで訪問する点では難しさもありますが、利用者さんのことをよく知っておられるケアマネージャーさんをはじめ、他の職種の方と積極的にコミュニケーションをとって理解を深めていくようにしています。また、コミケアは新卒者などの若手スタッフへの研修体制が整っています。月に1回の勉強会もありますし、分からないことがあったら先輩が相談に乗ってくださいます。コミケアのインスタグラムには普段の活動の様子を載せているのですが、スタッフ同士の仲の良さも伝わると良いなと思っています。

リハビリ内容は決まっているのですか?

医師の指示のもと訪問リハビリを実施しますが、リハビリの内容は利用者さんによってさまざまです。ご本人の困りごとや希望をお聞きして、その人らしく生きるためのサポートを提供したり、生活に必要な動作がスムーズに行えるようにメニューを考えたりしています。例えば、腰痛のある方の姿勢が反り腰になっていることに気づいたら、「姿勢が治れば腰痛が軽減しそう」、「そのためには腹筋を鍛える必要があるなあ」というふうに考えを広げ、筋力アップの訓練も取り入れていきます。さらに、利用者さんがひとりでできる運動も提案し、訪問リハビリがない日も運動していただけるよう工夫することが大切です。

訪問リハビリのやりがいは?

利用者さんが安心・安全に暮らせるよう、生活環境を整える役割も担っていて、手すりや歩行器といった福祉用具の導入を提案することもあります。初めは歩行器なんて無くてもいいとおっしゃっていた利用者さんから、「歩行器を用意してくれたおかげで安心して歩ける」と言っていただけた時は嬉しかったですね。
また別の方で、右手がほとんど動かせない利用者さんがブレスレットを作ったと言って見せてくださったことがありました。リハビリで大事なことは、本人さんがみずから進んで体を動かしたり訓練したりすることなんです。一生懸命取り組まれた姿を想像すると感動しましたね。

シマリハでの学びが生かされていると感じることは?

コミケアでの業務に、ひざ痛や腰痛・病気・介護の予防につながる活動があり、シマリハ時代に教わった予防医療の授業が役に立っていると感じています。介護予防の授業では地元の介護施設を訪問し、施設を利用されている方と関わる機会もありました。実際の介護現場を見たことで、学生の頃から病気の予防や健康な体づくりの重要性に関心を持ち、将来仕事に就いたときには予防という観点での働きかけもやっていきたいと意識が高まりました。

シマリハでの思い出は?

私は宿舎に入っていたので、友達がいつも近くにいました。一緒にテスト勉強をしたり食事をしたりと、楽しかった思い出がたくさんあります。近くに良い温泉があって、しょっちゅう行ってはリフレッシュしていました。国家試験が近づくと勉強が大変になりますが、分からないところは先生が親身になって教えてくださいますし、就職活動のサポートも手厚かったです。
高校生の頃は「医療職になるための勉強って難しいのでは」と不安だったし、これから進路を決める皆さんもそう思うかもしれません。ですが、入学したては横一線、みんな同じスタートラインに立っています。学生同士で励まし合って学んでいくので、意外と大丈夫なものですよ!

最後に、今後の目標を教えてください。

コミケアの療法士の先輩は、利用者さんから「ここが痛い」と言われたときに、さまざまな角度から評価ができて、いつも凄いなと思っています。どんなアプローチをするか提案の幅も広く、私もそんな療法士になりたいと感じます。ひとり暮らしをされている利用者さんの多くは誰かと話しがしたいと思っておられて、私たちの訪問を楽しみにしてくださっています。おしゃべりするだけでも気分が晴れると思うので、皆さんの身体も心も元気にできるような関わりをしていきたいですね。

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